自転車のハンドルが動かない!原因を特定。メンテナンスしてみた(クロスバイク編)

こんにちは、おつまみ(@otsumami082)です。

 

この前久しぶりに雨天の中、フードデリバリー(UberEats)をやりました。

 

もちろん自転車はズブ濡れ。そしてそのまま格納し、次の日を迎えました。

 

次の日はその日の雨が嘘のような晴天。清々しい気分で自転車に跨って発進。…しかし次の瞬間に異変は起こった。

 

ギュイィ…ギ…ピキッ…

という破滅音…。

 

あれっ…!?ハンドルが切れない、動かない…(;^ω^)

 

一体、私の自転車の身に何が起こったというのでしょうか?

 

今回は私の自転車(クロスバイク)のハンドルが動かなくなった原因と、私が行ったメンテナンス方法を紹介いたします。

 

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ハンドルが動かない原因はヘッドチューブのベアリングにあり

ハンドル・ステム・ヘッドチューブ俯瞰

NESTO 700×32C クロスバイク VACANZE 2

 

ハンドルを切る時のスムーズさに関係している箇所として思い当たるのが、ヘッドチューブの上下に埋め込まれているベアリング(リテーナー)ですね。

ヘッドチューブ上部

ヘッドチューブ下部

分解して見ていきましょう。

 

フォークコラムとヘッドチューブを分離する

マイナスドライバーをこじいれて、ヘッドキャップのカバーを外していきます。

 

 

ヘッドキャップを六角レンチで外していきます。(ヘッドキャップの別称は『コラムキャップ』『ステムキャップ』)

顕になったアンカーボルト

六角レンチで取り外す様子

 

 

スターファングルナットとご対面。

♢スターファングルナットとはこんな製品♢

スターファングルナットは今回いじらないのでスルーします。

 

スターファングルナットよ…。かまってあげられなくてごめんよ。

 

 

ステムを取り外していきましょう。ここも六角レンチで攻略していきます。上下のボルトを交互に少しずつ緩めていきます。

 

 

ステムを上に持ち上げれば「スルッ」と外れます。

ギアやブレーキのコードはそのままでもステムは外れます。だいぶ邪魔ですが、コードを外す手間を考えるとこのままの方がマシですね。(´・ω・)

 

 

ヘッドチューブの上に載っているパーツ類も外していきます。

浮かせた部分は『コラムスペーサー』と『ダストカバー』。その下にある黒い樹脂製のパーツが『コンプレッションリング』と『上玉押し』

左:『上玉押し』。右:『コンプレッションリング』

ワン(ヘッドチューブに埋め込まれている黒いベアリング受け)は今回外しません。

専用工具↓が必要なので

 

 

ヘッドチューブ上部のベアリング(リテーナー)の状態は良好ですね。

となるとヘッドチューブ下部のベアリング(リテーナー)が怪しい…。

 

下部のリテーナー(保持器)がサビて変形していた

ヘッドチューブを持ち上げた瞬間…

「パラパラッ…」っと何か粒のようなものが複数落下。

 

 

サビたベアリングですね。

ヘッドチューブ下部のリテーナー(保持器)からこぼれ落ちたベアリング

 

これでハンドルが動かなくなった原因はヘッドチューブ下部のベアリング(リテーナー)であると特定できました。

 

 

とりあえず、外したフォークコラムを壁に立てかけておきましょう。

 

 

問題の箇所を見てみます。

フロントフォーク(赤部分)とフォークコラム(銀部分)の様子。錆が付着しているのはクラウンレース(下玉押し)と呼ばれるパーツ

ヘッドチューブ下部(下ワン)に嵌っているリテーナー(保持器)。ベアリングは全て落下

グリスが完全に流れていてサビっサビですね。リテーナー(保持器)が歪んで、ベアリングを保持する能力を失っています。

 

また、フォークコラムに装着されている『クラウンレース(別称:下玉受け)』が樹脂製ですね。一般的に『クラウンレース』は金属製のもので、専用工具によって圧入するみたいですが、当方のクロスバイク『VACANZE2』の『クラウンレース』は樹脂製。

4万円以下の低グレードなクロスバイクにありがちなチョイスなのでしょうかね?

ひょっとしたら『クラウンレース』ではなくワッシャーと呼んだ方が正確なのかもしれませんが、よく分かりません。(´・ω・)

 

 

とりあえず一式を外してみました。

左が『クラウンレース(ひょっとしたらワッシャー)』。右がリテーナー。

 

これ…再利用できるんでしょうかね?(´・ω・)

 

サビたベアリング(リテーナー)を再利用する

だいぶ悲惨なことになっていたヘッドチューブ下部のベアリング(リテーナー)。サビ落とし&グリスアップで再利用していこうかと思います。

 

注意

ベアリング(リテーナー)再利用は個人的好奇心を満たすための検証であり、推奨はできません。決してマネしないでください。ヘッドチューブ用のベアリング(リテーナー)は数百円で購入可能な安価なパーツです。新品と取り替えることをおすすめいたします。

 

ベアリング(リテーナー)のサビを落とす

リテーナーとベアリングのサビを落としていきましょう。

 

 

まっくろくろすけ…。(;^ω^)

これを水で洗浄後、ワイプで拭き取っていきます。

 

 

リテーナーの歪みがものすごいことに…_:(´ཀ」 ∠):

 

 

ダメージのない上部リテーナーと見比べても同じパーツとは思えませんね。(´・ω・)

上部ヘッドチューブ内のベアリング(リテーナー)

取り出した上部ベアリング(リテーナー)

 

 

サビサビの下部ヘッドチューブ内部をサビ取りを含ませたワイプで拭きあげていきます。

サビ取り+ワイプで下ワンを拭きあげている様子

良い感じに綺麗になりました

 

お次はグリスアップです。(`・ω・´)

 

下部ベアリング(リテーナー)のグリスアップ

粘度が高く、流れにくいプレミアムグリスを使っていきます。

 

 

リテーナーにべったりグリスをつけていきます。

 

 

グリスを介して綿棒の先にくっ付けたベアリングをリテーナーの内側に等間隔に埋め込んでいきます。

 

 

リテーナーを下ワン(ヘッドチューブ下部)に埋め込んでいきます。事前に下ワンにもグリスを塗っておきました。

お詫び

リテーナを埋め込んだ後のトップチューブ下部の画像撮影を忘れてしまいました。申し訳ありません。

 

 

フォークコラムにもグリスを塗り、クラウンレース(下玉押し)を被せていきます。

グリス塗布後

クラウンレース(下玉押し)装着後

 

 

ヘッドチューブをフォークコラムに被せていきます。

ヘッドチューブ下部とフロントフォークの継ぎ目

 

次は上部ベアリングのメンテナンスに移ります。

 

上部ベアリング(リテーナー)の清掃&グリスアップ

グリスアップ後のリテーナー&上ワン

 

下部ベアリング(リテーナー)と比べるとノーダメージに見える上部ベアリング(リテーナー)ですが、ついでにクリーンアップしていきます。

 

 

マイナスドライバーでベアリング(リテーナー)を取り外します。

この時、同時に上ワン(ヘッドチューブ上部のベアリング受け)の古いグリスはワイプで拭き取っておきました。

 

 

パーツクリーナーで洗浄。そのあとワイプで拭きあげます。

 

 

以下は【ヘッドチューブをフォークコラムに被せたところ】からの続きです。

【上ワンをグリスアップ】 → 【リテーナー装着】 → 【リテーナーグリスアップ】を行いました。

 

元通りに組み立てる

分解した手順の逆をやれば組み立てられるというのは道理ですよね。

 

先ほどヘッドチューブをフォークコラムに被せ終わったので、次は【『上玉押し』 → 『コンプレッションリング』 → 『ダストカバー』 → 『コラムスペーサー』】の順に装着していきます。

 

 

お次はハンドルステム装着。タイヤの向きとステムの向きをピッタリ合わせないとならないので、一番神経を使う工程ですね。

前輪とステムの方向が合うように調整後、ステムのボルトを締めて固定している様子

 

『前輪が左右にブレないように足を添えて前輪をロック』してやるとやりやすいですね、ここは。

 

 

ヘッドキャップを装着すれば完了です。

 

リテーナー再利用後、5日間走行してみた。(雨天込み)

歪んだリテーナーを洗浄&グリスアップ後、5日間乗ってみましたが、特に問題なく走行できました。雨天時走行後も、サビでハンドルの動きが鈍る様子もなく、パフォーマンスは良好。

 

リテーナーが手に入らない、もしくは自宅に届くまでの間に自転車を使わざるを得ない用事のある場合、変形したリテーナーをグリスアップして凌ぐことは十分可能であるとの結論に至りました。

 

注意
※あくまで個人の体験に基づく結論です。マネして事故を起こしても責任は取れません。新しいリテーナーに交換するまでは自転車に乗らないことを強く推奨いたします。

 

リテーナーを交換してみた

AMAZONで注文した1-1/8コラム用リテーナー

 

 

我が愛車『VACANZE2』のフォークコラムのサイズは『1-1/8』なので、それに合ったリテーナーを注文しました。

 

後日届いたリテーナーの表面↓

「リテーナーは永遠の輝き!」と言わんばかりの存在感!(ダイヤモンドもびっくりの輝きです)

 

 

「さっそく中古リテーナーと交換していきましょう!」と、言いたいところですがその前に、中古リテーナーの具合を確認していきますね。

フロントフォークとヘッドチューブの結合部。中古リテーナーの金属片らしきものがグリスに付着している。

 

 

ヘッドチューブを外してみました。

真っ黒だしグチャグチャ…。こりゃひでぇや…(;^ω^)

 

 

掃除した後に『プレミアムグリス』を塗布。そして新リテーナーを装着!

アルミコラムをグリスアップ

新リテーナーもグリスアップ

 

これにてハンドル不具合の原因特定&メンテナンス完了です。

 

あ〜疲れた _:(´ཀ」 ∠):_

 

新リテーナー装着後の走行感

乗り始めは中古リテーナー(グリスアップ後)とさほど変わらない印象を受けました。

しかし、急カーブでの走行時に顕著な違いを感じます。

 

このハンドル…。スムーズに動きやがるっ!!

ハンドリングを邪魔しない、たしかな『ヌルヌル感』。エクセレント!

 

中古リテーナー(グリスアップ後)での走行でも不快感はありませんでしたが、新リテーナーと比べると若干の「じゃりじゃり感(砂を噛んだ感じ?)」は否めません。

 

ボロボロになったパーツを無理矢理メンテナンスして使うより、さっさと交換するのが正解ですね!

今回の検証を経て、そう確信するに至りました。

 

自身でのリテーナー交換はメリットがたくさん

自身でリテーナー交換をして感じたメリットは3つありました。

 

メリット
  • サイクルショップで交換してもらうより数倍お得
  • 自転車の構造を深く学ぶきっかけとなる
  • 24時間いつでも修理できるようになる

 

サイクルショップで交換してもらうより数倍お得

今回交換したリテーナーの値段は約600円でした。とある都内のサイクルショップではリテーナー交換に4,000円掛かることを考えると、費用を1/6以下に削減できるのは大きなメリットですよね。

 

修理を一度でも経験してしまえば、作業を30分〜1時間くらいで終わらすことは可能になると思います。

 

自転車の構造を深く学ぶきっかけとなる

ヘッドパーツ周りの構造を学ぶキッカケとなったのは、間違いなく今回の故障のおかげです。

 

自身での修理はリスクもあるし、面倒くさいし、時間も掛かというデメリットがあります。しかし、自身で修理することにより自転車の構造を知ることができたことは、それらのデメリットを圧倒的に上回るメリットだと感じています。

 

サイクルショップで修理をして貰ったほうが楽だし安心です。でも、知識はつきません。

 

24時間いつでも修理できるようになる

「不安だし良く分からないから、自転車のトラブルが発生したらサイクルショップへ持っていこう。」

この考えは至極真っ当、正しいと思います。

 

しかし、サイクルショップは24時間365日対応してくれるわけではありません。夜中や早朝に自転車が壊れてしまった場合はサイクルショップの開店を待たなくてはならないのです。

 

これが案外ストレスだったりします…(;^ω^)

 

もし、自身で修理できるようになればサイクルショップの都合に合わせる必要はなくなりますよね。

 

つまり修理スキルを身につけることは『限りなくフリーダムに近づく』ということを意味するのです。(`・ω・´)

 

さいごに

今回は検証やブログ素材撮影のために色々遠回りしましたが、メンテナンス手順を最短化すれば非常にシンプルでした。

 

最短メンテナンス手順
  1. ステムとヘッドチューブを取り外す
  2. 原因は下部リテーナーと特定
  3. リテーナーを注文
  4. リテーナー周りのパーツを清掃
  5. 届いたリテーナーを装着(同時にグリスアップ)
  6. ステムとタイヤの向きを合わせてステム装着

作業工程を一度知ってしまえば作業時間は30分〜1時間程度に収まるでしょう。

 

 

また、自身でパーツを取り寄せて修理できれば

  • サイクルショップで交換してもらうより数倍お得
  • 自転車の構造を深く学ぶきっかけとなる
  • 24時間いつでも修理できるようになる

などのメリットがあることが分かりました。

 

 

皆さんも無理のない範囲で自転車をご自身でメンテナンスしてみてはいかがでしょうか?思いも寄らない発見や喜びがあるかも知れませんよ?

 

それでは良きチャリンコライフを〜(*^^*)

 


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