どこまで大丈夫?銃刀法と軽犯罪法違反。キャンパー目線で調べてみた

こんにちは、おつまみ(@otsumami082)です。

 

キャンプをしている、もしくはこれからやってみようと思っている人なら次のような疑問をお持ちではありませんか?

刃が6cm未満のナイフは銃刀法違反にならないって本当?気兼ねなく持ち歩けるの?

クマよけスプレーって持ってても犯罪にならないのかしら?

テント設営に使う金属ペグって凶器として使えると思うんだけど、携帯は規制されてないのかな?

など、いろいろな疑問があるかと思います。

 

この記事を読めば、以下のことが理解できるようになります。

  • 刃物を含むキャンプ道具を外に持ち出すのは、どの程度「法律を犯すリスク」があるのか
  • どうすれば法律に違反せずに済むのか

     

    最初に言っておくと、本記事はかなり長いです。

     

    なので、できるだけ読みやすいように以下のような構成にしました。

    • 最初は、全体像をイメージしやすいように概要を説明
    • その後は、法律や判例などを根拠に「なぜ、こういう結論に至ったのか」というプロセスを明確にしながら詳細な解説をする

       

      法律を知らないと、意図せず法律違反をしてしまう可能性があり危険です。

      そうならないために、本記事を是非最後までお読みくださいませm(_ _)m

       

      注意
      筆者は法律の専門家ではありません。この記事の内容を元に行動した結果、負ってしまった被害などを筆者が賠償することはできません。万全を期するためにも、最終的にはご自身でしっかりお調べになることをおすすめいたします。(この記事を執筆するために参考にしたサイトのリンクは、ページ最後にまとめておきました。そちらもぜひ、ご活用くださいm(_ _)m)

      もくじ

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      まずは結論から

      私がリサーチして判明したことの中で、最低限覚えて欲しい部分だけを箇条書きにしました。

       

      キャンパーが最低限覚えておくべきこと
      • 『刃物・クマスプレー・ライト・ペグなど』のキャンプ道具を明確な目的なく持ち歩いていた場合、逮捕されることがある。

      • キャンプ場に向かう最中、刃物などを携帯(もしくは車載)した状態でコンビニなどに寄った場合、逮捕されることがある。(買い出しのための寄り道はNG、キャンプは直行直帰が原則)

      • 刃物はバッグの奥深くに、できればキャンプ&釣り道具と共にしまうと逮捕されにくくなる
      • キャンプ道具を家から持ち出す限り、逮捕されるリスクはゼロにはならない

      • よほど悪質と判断されない限りは不起訴処分や反省文(罪にならない)で済む可能性が高い

      • 基本的に刃体の長さが6cm以上(折りたたみナイフやハサミは8cm以上)の刃物の携帯は銃刀法違反に問われる

      • 銃刀法の範疇にない小さな刃物の携帯の場合、軽犯罪法違反に問われる
      • 刃物の携帯には「正当な理由」が必要

      • 「正当な理由」は『人・物・時・場所・職業その他の条件』を総合的に見て判断される

      • 「正当な理由」があったとしても厳しい取り調べや逮捕される理不尽なケースも世の中には存在する。

       

      とはいえ、これだけ見ても

      「正当な理由」のイメージが全く掴めないよ〜!?

      刃体の長さ??刃渡りのことかな???

      など、意味の分からないことだらけだと思います。

       

      なのでこれから、ゆっくり順を追って解説していきますね。

       

      この先を読む前に確認したいこと

      【法律基礎知識】法律は知らないでは済まされません

      (これは、キャンパーだけでなく国民全員が法律を遵守しながら生きていく上で大事な話です。)

      ナイフを街中で持ち歩くのは犯罪だって?
      そんなの知らん!知らなかったから俺は無罪だ!!

      そんな子供のような言い分は認められません。
      刑法第三十八条3号に、その旨が記載されています
      (故意)
      第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
      (中略)
       法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

      出典:刑法 | e-Gov法令検索

      このことから
      「法律を知らなかったから罪を犯す意思がない、つまり無罪だ!」
      という主張は認められないわけです。

       

      この条文を見て、以下のように感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

      義務教育で詳しく教えない国が悪いンじゃねえの?

      法律の文章が分かりにくいから理解する気が失せるんだ!もっと分かりやすく書け!!

      条文書いた奴って税金で飯食ってンでしょ?もっと国民に寄り添え!!!

       

      気持ちは分かりますが、怒っても無駄です。(残念ながら)

      不満があるなら法律を変えるしかありませんが、個人や小さな団体の力で変えられるほど法律はやわなものではありません。

      文句を言い続けるくらいなら、真面目に法律を学んで順守するように努めるほうが楽だし平和だと思いますよ。

       

      当記事における「携帯」「所持」の意味

      • 携帯 = ものを持った状態で自宅外にいる状態を意味する概念(車載も含む)
      • 所持 = 自宅での保管に加え、ものを持った状態で自宅外にいる状態(つまり「携帯」)を含む概念

       

      これらの定義を念頭において、この先をお読みくださいm(_ _)m

       

      補足
      ちなみに静岡県警察のホームページでは、「携帯」の意味を”直ちに使用できるような状態で自己の実力支配下に置くこと”としてます。
      参考:外に持ち出し携帯することが禁止される刃物/静岡県警察

       

      前置きは終わりです。次は伝えたい事柄の結論をお話しします。
      そのあと、法律や判例を根拠とした細かいプロセスや結論の補足説明をしていきますね。

       

      結論、何をすると違法になるの?

      どのキャンプ道具を携帯すると法律違反になる?

      携帯することにより逮捕される危険性があるキャンプ道具は以下の4種類。(他にあるかもしれませんが)

      • 刃物(ナイフ・斧・ノコギリなど)
      • クマよけスプレー
      • ヘッドライト(フラッシュライト)
      • ペグ

       

      これらのうち

      • 刃物(基本的に刃体の長さが6cm以上のもの)

      『銃砲刀剣類所持等取締法(通称:銃刀法)』に違反する可能性があります。(「刃体の長さ」の詳しい意味はあとで解説)

       

      「刃体の長さ」のざっくりとしたイメージはこれ↓

      出典:車に積んではいけないものは?正当な理由なく載せてはいけない工具類

       

       

      さらに

      • 刃物(銃刀法に抵触しないもの)
      • クマよけスプレー
      • ペグ

      は軽犯罪法第一条2号に書かれている”人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具”に該当する可能性があり、法律違反となり得ます。

       

      そして

      • ヘッドライト(フラッシュライト)

      の携帯は、軽犯罪法第一条3号に書かれている他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具として逮捕される可能性があります。

       

      キャンプ道具(刃物など)の所持・使用に関わる法律や条例

      刃物の所持を規制する法律は大きく2つあります。

      • 銃砲刀剣類所持等取締法(通称:銃刀法)
      • 軽犯罪法

       

      刃物を正当な理由なく携帯した場合、刃物の大小に関わらず、どちらかの法律に違反することになるんですね。

      基本的に6cm未満の刃物を携帯した場合は、軽犯罪法が適応されます。
      (クマよけスプレーやペグの携帯なども軽犯罪法の適応範疇)

       

      さらに、多くの道府県で制定されている『迷惑防止条例』も、キャンプ道具の携帯に制限をかける形となっている点に注意してください。

      また、キャンプ地の利用規約に違反しないように気をつけることも重要です。

       

      ポイントを整理
      • 「銃刀法・軽犯罪法・迷惑防止条例・その場所の利用規約」などがキャンプ道具の携帯・使用の制限に関わってくる

       

      刃物を携帯するには「正当な理由」が必要

      補足
      とてもややこしくなるので、「正当な理由」の詳細な解説は後回しにしています。(ここでは最低限の説明に止めています。詳細な解説が知りたい人は、記事を最後まで読んでね!)

       

      「正当な理由」とは、一般的に以下の状況が当てはまります。

      • 板前が包丁を運搬する
      • ナイフを購入して持ち帰る
      • 修理のために店に持って行く
      • キャンプに使うための運搬(寄り道はNG)
      • 業者がナイフ販売のために運搬する

       

      ちなみに「護身のための携帯」は、基本的には正当な理由とはなりません。

       

      ここで気をつけなくてはならないポイントは

      • キャンプ地に向かう道中、コンビニに寄った
      • 刃物を持ったまま、刃物を扱う仕事場から離れた

      などの寄り道的な行為は、「正当な理由」から逸脱していると判断され、逮捕・取り調べをされる恐れがあるというところです。

      つまり、キャンプの場合は直行直帰が原則!

       

      なぜなら警察は『刃物所持が発覚した瞬間の場所・状況』に照らし合わせて刃物を携帯する正当な理由があるかどうかを判断するからです。

       

      例えば、コンビニに立ち寄った際に荷物検査をされて刃物所持が発覚した場合、

      キャンパー
      キャンプに必要な食料品を買ってるだけなんすよ〜(;^ω^)
      と言っても

      警察官
      今現在、「コンビニに居る」というこの状況で刃物って必要かな?
      要らないよね?
      ちょっと署まで来て!取り調べするから。

      という流れになってしまう危険があるのです。

       

      キャンパーとしては納得がいきませんが、治安維持のためには仕方ないルールなのかもしれませんね。

       

      まぁ、ここらへんの判断は警察官によってまちまちなので、お咎めなしという場合もあります。(個別性が激しい)

      日常的に外で刃物を使うような場所(田舎とか)だと、咎められることは少ないようです

       

      ちなみに、最初に「正当な理由」に該当するかを判断するのは現場の警察官ですが、最終的に違法かどうかを判断するのは司法権を有する裁判所です。(憲法76条1項ね!

       

      キャンプ道具(刃物など)を持ち運ぶ = 逮捕リスクはつきもの

      実際は、どんな「正当な理由」があろうと、どんな小さな刃物だろうと携帯(車載含む)する場合、逮捕や取り調べをされる可能性はゼロにはなり得ません

       

      なぜなら、刃物所持が発覚したときの感じ方、対応が警察官によって異なるからです。

       

      業務上、被災地のボランティア作業、またはキャンプなどのレジャーで使用するなどの「正当な理由」があろうと取り調べの対象になり得るのが実情です。(全てのケースで起訴・有罪になるわけではありませんが)

       

      逮捕のリスクをゼロにする唯一の方法、それは規制対象になり得るキャンプ道具を自宅から持ち出さないことなんですね。

       

      家から持ち出せないキャンプ道具って…、なんか自己矛盾してますよね(;^ω^)

       

      とはいえ、過剰にビビる必要はないと思います。

      あくまで「100%捕まりたくない!微塵のリスクも負えない!!」という人の場合の話です。

       

      銃刀法違反より軽犯罪法違反のほうが刑罰が軽い

      銃刀法違反は懲役or罰金に課せられますが、軽犯罪法は拘留or科料で済みます。(科料とは罰金より軽めの財産刑のこと。ここでは両者とも似たようなものだと思ってくださって構いません。)

      ここらへんも後で詳しく解説します。

       

      銃刀法違反にならないおすすめキャンプナイフ

      キャンプはしたいけど銃刀法違反のリスクは負いたくない、という人は銃刀法に抵触しないナイフを使いましょう。私のおすすめは「モーラナイフ Eldris」です。

      刃体の長さ5.9cm(測ったら実際は5.5cm程度だった)なので銃刀法には抵触しません。また、軽いバトニングくらいならこなせるし、グリップ感も良いですよ(*^^*)

       

      補足
      一応念押ししておきますが、「モーラナイフ Eldris」を正当な理由なく携帯した場合、軽犯罪法違反にはなりますので注意。

       

      ここまでの概要

      ここまでの概要
      • 何も考えずに『刃物・クマよけスプレー・ライト・ペグ』などを携帯していると銃刀法または軽犯罪法違反で捕まる可能性がある
      • キャンプに必要な『刃物・クマよけスプレー・ライト・ペグ』などを携帯している場合は直行直帰が原則(コンビニなどへの寄り道はNG)
      • 『刃物・クマよけスプレー・ライト・ペグ』などは「正当な理由」があれば携帯可能だが、警察官によって「正当な理由」の判断がバラバラなため、取り調べ&逮捕の可能性がある
      • 最終的に違法かどうかの判断を下すのは警察(行政)ではなく裁判所(司法)である
      • 銃刀法違反より軽犯罪法違反の方が刑罰が軽い

       

      これで一通りの概要は説明し終わりました。

      この先は法律の条文や判例などを根拠に、『銃刀法・軽犯罪法・迷惑防止条例』などとの付き合い方を見ていきましょう。

       

      銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)とは?

      早い話、人を殺傷する能力の高い銃や刃物の所持を規制する法律ですね。

      (趣旨)
      第一条 この法律は、銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制について定めるものとする。

      出典:銃砲刀剣類所持等取締法 | e-Gov法令検索

       

      銃刀法は非常に長く難解な法律です。

      文字数を調べたら75619文字ありましたwww(スペース無しの数字)

       

      完全理解したい猛者は以下のリンクからどうぞ!

      銃砲刀剣類所持等取締法 | e-Gov法令検索

       

      この記事で紹介するのは一般人が気をつけるべきポイントのみに限らせていただきますm(_ _)m

       

      銃刀法の定義

      (定義)
      第二条 この法律において「銃砲」とは、けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)をいう。
       この法律において「刀剣類」とは、刃渡り十五センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り五・五センチメートル以上の剣、あいくち並びに四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であつてみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものを除く。)をいう。
      ※赤太字は筆者による

       

      最初から難解ですねぇ(;^ω^)
      理解しやすいように図↓をお借りしました。m(_ _)m

       

      出典:【楽天市場】お知らせ >銃刀法について:刃物市場

      出典:【楽天市場】お知らせ >銃刀法について:刃物市場

       

      ちなみに「あいくち」とは鍔のない小刀のことです。(映画でヤクザが持っているアレ)

       

      あいくちを持つ極道(姐さん)

       

      『刀剣』と『刃物』の違いをざっくり区分けすると以下の通りですかね。

      刀剣=人を殺傷する目的で作られた「武器」

      刃物=料理や細工、狩猟などの目的で作られた「道具」

      参考:銃刀法から見る刀剣とは?刃物・銃砲の区分けを徹底解説 | 全国刀剣買取センター

       

      飛び出しナイフとは、ボタンを押すと刃が飛び出すナイフのことです。

      出典:wikipedia

       

      銃刀法に抵触しない飛び出しナイフの条件は「第二条2号」に書いてありますが、文章が難解すぎて私は理解できません(´・ω・)
      刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であつてみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものを除く
      ※赤太字は筆者による

       

      これを完全に理解し、作図、説明できる猛者募集中www

       

      「銃砲又は刀剣類」所持の禁止について

      一般人は「銃砲又は刀剣類」を所持(自宅保管を含む)できません。
      (所持の禁止)

      第三条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、銃砲又は刀剣類を所持してはならない。

       法令に基づき職務のため所持する場合
      (後略)
      ※赤太字は筆者による

       

      一応、「都道府県公安委員会の許可を受ければ」誰でも所持できるようになります。

       

      「銃砲又は刀剣類」を所持・携帯するには許可が必要

      「銃砲又は刀剣類」を所持・携帯するには、都道府県公安委員会という組織の許可を受けなければいけません

      第二章 銃砲又は刀剣類の所持の許可
      (許可)
      第四条 次の各号のいずれかに該当する者は、所持しようとする銃砲又は刀剣類ごとに、その所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。

      (中略)

      (許可の申請)

      第四条の二 前条の規定による許可を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、住所地又は法人の事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。

       住所、氏名及び生年月日
       銃砲又は刀剣類の種類(内閣府令で定める猟銃の種類を含む。)
       銃砲又は刀剣類の所持の目的
       その他内閣府令で定める事項
      (後略)

      ※赤太字は筆者による

      出典:銃砲刀剣類所持等取締法 | e-Gov法令検索

       

      一応、都道府県公安委員会向けの条文↓も紹介しておきます。

      (許可証)
      第七条 都道府県公安委員会は、第四条又は前条の規定による許可をする場合においては、許可証を交付しなければならない。
      (後略)
      ※赤太字は筆者による

       

      自宅から刀が出てきた!この場合、銃刀法違反になる?

      もし、あなたが家を相続した場合、そこの押し入れなどから刀が出てくることがあるかもしれません。

      相続人Bさん
      刀の所持って違法だよね!?
      俺、銃刀法違反で捕まっちゃうの?

       

      大丈夫です、捕まりません。安心して、まずは警察へ「家から刀が見つかった」と連絡しましょう。

       

      その後の詳しい流れは以下のリンクなどを参考にしてください。

      銃砲刀剣類を発見したとき|東京都教育委員会ホームページ

       

      携帯が禁止されている刃物の種類とは?

      刃のついている一切の器具(包丁・ナイフ・ノコギリ・ナタ・ノミ・鎌・はさみ・カッターナイフなど)が規制の対象となります。(参考:kinshichirashi.pdf

       

      そもそも「刃」とは何でしょうか?

      (は、やいば)とは、対象を切断ないし切削する機械要素ないし構造のことである。

      出典:Wikipedia(刃)

       

      つまり、鼻毛はさみ(セーフティーカッター)でさえも、毛を切断することが可能ということにおいて「刃物」ということになりますね。

      出典:Groom! セーフティハサミ(樹脂リング付) | 貝印オンラインストア

      画像のハサミは、サイズ的に銃刀法には違反しませんが、軽犯罪法(この先で解説)には違反する可能性があります。

       

      静岡県警察ホームページにて紹介されている銃刀法違反の恐れがある刃物(正当な理由があれば携帯OK)は次のとおりです。

      刃体の長さが6cmをこえる
      包丁、ナイフ、カッターナイフ、なた、おの、のこぎり
      刃体の長さが8cmをこえる
      はさみ(注1)、折りたたみ式ナイフ(注2)、果物ナイフ(注3)
      刃体の長さが7cmをこえる
      切出し(注4)
      (注1):8cm以下であって、刃体の先端部が著しく尖っておらず、かつ、刃が鋭利でないものを除く。
      (注2):8cm以下であって、刃体の幅が1.5cmをこえず、刃体の厚みが0.25cmをこえず、刃体を固定させる装置を有していないものを除く。
      (注3):8cm以下であって、刃体の厚みが0.15cmをこえず、刃体の先端部が丸みを帯びているものを除く。
      (注4):7cm以下であって、刃体の幅が2cmをこえず、刃体の厚みが0.20cmをこえないものを除く。

      ※赤太字は筆者による

      出典:外に持ち出し携帯することが禁止される刃物/静岡県警察

      ”のこぎり等”と書いているあたり、「刃が付いている」と思しきものは全て規制の対象だと思ってください。

       

      ちなみに銃刀法の条文はこんな感じ↓

      第二十二条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない
      ※赤太字は筆者による

      種類又は形状のものについては、この限りでない”と書いてあるだけで、具体的にどれが該当するのかは書いていません

       

      ポイントを整理
      • ものを「切断」「削る」などが可能な道具は、刃物として扱われる

       

      注意
      銃刀法に問われない小さな刃物でも「正当な理由」なく携帯した場合は軽犯罪法に違反します。(軽犯罪法の詳細はこの先で解説)

       

      刃物の測定方法

      やっかいなことに、刃物の中には測定方法が分かりにくいものもあります。(例:切り出しナイフ、両手鎌、のみなど)

       

      実は刃物の形状によって測定方法が異なるんです。
      文字だけだと理解が難しいので、分かりやすい図をお借りしました。m(_ _)m

      出典:刃物に関する法律の話 ナイフ、銃刀法、軽犯罪法

       

      覚えるのが一苦労ですね…(;^ω^)

       

      「刃渡り」と「刃体の長さ」の違い

      刃物の大きさを表す言葉には「刃渡り」と「刃体の長さ」の2種類があります。

      一体どういう違いがあるのでしょうか?

       

      簡単に言うと「刃渡り」は刀剣類に対して使われる概念で、「刃体の長さ」は刃物に対して使われる概念です。

      「刃渡り」と「刃体の長さ」
       「刃渡り」とは刀剣類の刃長および穂長の総称で「刃長とは、刀、剣、なぎなた、あいくちおよび飛び出しナイフについての概念で、棟区(刀身の峰部のくぼみにかかる箇所)から切っ先までを直線に測った長さをいい、
       穂長とは槍についての概念で、そのけら首(塩首)から穂先までを直線に測った長さをいう」とされます。

       「刃体の長さ」は刃物に使われ、その測り方が総理府令で定められています。
       「刃物の切っ先(刃体の先端)と柄部における切っ先にもっとも近い点とを結ぶ
       直線の長さを測ることとする」とされています。
       「スケルトンナイフ」や「共柄切出し」の測り方は注意が必要です。
       刃体と柄部の区別が明らかでない切出し、日本かみそり、握りはさみなどの刃物は、
       刃物の両端を結ぶ直線の長さを測り、その長さから8センチを差し引く」とあります。

      ※赤太字は筆者による


      出典:銃刀法・軽犯罪法とナイフ|JKG・ジャパン ナイフ ギルド

       

      スケルトンナイフとは

      引用サイト内で出てきた「スケルトンナイフ」とはこんなの↓

      Amazonでスケルトンナイフを見る

       

      切り出し系の柄のないタイプのナイフは通常のと違い、『全長−8cm』という特殊な測り方をするみたいですね。

       

      刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物で携帯が禁止されないもの

      銃砲刀剣類所持等取締法施行令には、次のように書いてあります。(以下は「禁止されないもの」)

      (刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物で携帯が禁止されないもの)

      第三十七条 法第二十二条ただし書の政令で定める種類又は形状の刃物は、次の各号に掲げるものとする。

      一 刃体の先端部が著しく鋭く、かつ、刃が鋭利なはさみ以外のはさみ
      二 折りたたみ式のナイフであつて、刃体の幅が一・五センチメートルを、刃体の厚みが〇・二五センチメートルをそれぞれこえず、かつ、開刃した刃体をさやに固定させる装置を有しないもの
      三 法第二十二条の内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のくだものナイフであつて、刃体の厚みが〇・一五センチメートルをこえず、かつ、刃体の先端部が丸みを帯びているもの
      四 法第二十二条の内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが七センチメートル以下の切出しであつて、刃体の幅が二センチメートルを、刃体の厚みが〇・二センチメートルをそれぞれこえないもの

      出典:銃砲刀剣類所持等取締法施行令 | e-Gov法令検索

       

      出典:ポプテピピック

       

      とりあえず、刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物は携帯しない方が良いと思うな!ぼくは(´・ω・)

       

      模造刀も銃刀法の規制対象

      (模造刀剣類の携帯の禁止)
      第二十二条の四 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない。

       

      コスプレで金属製の模造刀を使うとかは正当な理由にはならないよ!

      参考:銃刀法違反で逮捕されるケースとは?規制の内容や罰則を解説|刑事事件弁護士ナビ

       

      銃刀法のポイントをおさらい

      銃刀法のポイントを整理
      • 両刃の刃物、刀、槍、薙刀、あいくち、飛び出しナイフなどは「刀剣」に分類される
      • 刀剣は、所持(自宅での保管含む)すること自体、禁止されている(許可証があれば所持が可能)
      • 刀剣とは「人を殺傷する目的で作られた武器」であり、刃物とは「料理や細工、狩猟などの目的で作られた道具」である
      • 刃物であっても、基本的には刃渡り6cm以上(折りたたみナイフは8cm以上)あるものは「正当な理由」なく携帯すると銃刀法違反。(自宅での保管・使用は問題ない)
      • 金属製の模造刀も銃刀法の規制対象
      • 銃や刀剣を所持したいのなら、許可証の取得が必須
      • 許可証なしで所持が可能な刀剣(一部の飛び出しナイフ)は存在するが、その判別は激ムズ。安易に所持はしない方が無難

       

      銃刀法や軽犯罪法で言う「正当な理由」とは?

      銃刀法や軽犯罪法、警察署ホームページなどで頻繁に登場する「正当な理由」とは何でしょうか?

      第二十二条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。(後略)
      ※赤太字は筆者による

       

       正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
      ※赤太字は筆者による

       

      (前略)
      業務上刃物を使用する者であっても、必要がないのに刃物を携帯して持ち歩くことは、業務のための携帯とはいえません。
      正当な理由とは、社会通念上正当な理由が存ずる場合をいい

      • 犯罪に使用、犯罪に使用する前段階として携帯する場合
      • 護身用として携帯する場合

      などは正当な理由になりません。

      ※赤太字は筆者による

      出典:外に持ち出し携帯することが禁止される刃物/静岡県警察

       

      ”社会通念上正当な理由”って抽象的すぎてイメージできませんよね…(´・ω・)

       

      というわけで次の項目では、”正当な理由”ってどんなものなのかを説明をしていきますよ!

       

      銃刀法や軽犯罪法の「正当な理由」の判断基準

      「正当な理由」とする判断基準のヒントは、最高裁判所の判決書の中にありました。

      「正当な理由」があるというのは,本号所定の器具を隠匿携帯することが,職務上又は日常生活上の必要性から,社会通念上,相当と認められる場合をいい,これに該当するか否かは,当該器具の用途や形状・性能,隠匿携帯した者の職業や日常生活との関係,隠匿携帯の日時・場所,態様及び周囲の状況等の客観的要素と,隠匿携帯の動機,目的,認識等の主観的要素とを総合的に勘案して判断すべきものと解される

      ※赤太字は筆者による

      出典:037481_hanrei

       

      つまり「正当な理由」があるかどうかを判断するにあたって、以下の要素などを総合的に考える必要がありそうです。

      • 携帯している人物の属性(職業・性別・年齢・能力など)
      • 携帯する目的
      • 場所
      • 時間
      • 本人の認識
      • 道具自体の殺傷能力の有無

       

      「正当な理由」を野球用バットを例に取って考える

      ここでは野球用のバットを例にとってみましょう。

      バットで人の後頭部を殴れば、いとも容易く人を殺せてしまうのは説明するまでもありませんよね?

      つまりバットは、軽犯罪法第一条2号に書かれている”他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具”として判断されるのは間違いありません。

       

      ゆえに、バットを合法的に携帯するには「正当な理由」が必要となるわけです。

       

      そして、「正当な理由」を最初に判断するのは警察官です。

       

      ここでは仮にあなたが警察官だとしましょう。

      以下の少年2人を見てください。

      昼間の野球少年

      深夜の不良少年

      あなたなら、どちらを「正当な理由」がないと判断し取り調べを行いますか?

       

      ほぼ100%の人が「右の不良少年」と回答するのではないでしょうか?

       

      そして取り調べの結果、不良少年が野球をするつもりがないのにバットを持っていたことが判明。これはバットを本来の目的なく持っていた、つまり「正当な理由」がなかったと判断できます。

       

      これが「正当な理由」というものの正体です。

       

      刃物の所持を制限する「軽犯罪法」とは?

      軽犯罪法は「重大犯罪とまでは言えないけど、世間の秩序を守るために、凶悪事件を未然に防ぐために刑罰を設けました」って感じの法律です。

      軽犯罪法 | e-Gov法令検索

       

      犯罪の構成要件は軽犯罪法第一条の1号〜34号に記載されています。(2021年12月現在、21号は削除されています)

       

      6cm未満の小型ナイフは軽犯罪法に違反する可能性あり

      6cm未満の小型ナイフなら銃刀法に引っかからないし、持ち歩いても問題ないんじゃねーの?

       

      いえ、その認識…危険です。

       

      確かに銃刀法には違反しませんが、その行為、軽犯罪法に抵触する可能性が極めて高いです。(軽犯罪法第一条2号)

      軽犯罪法

      第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する

      (中略)

       正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
      (後略)
      ※赤太字は筆者による

      出典:軽犯罪法 | e-Gov法令検索

      つまり、どんなに小さなものでも「正当な理由」のない刃物の携帯はアウトです。

       

      やっかいなことに、この法律、具体的にどれが刃物に該当するのかの定義がなされていません。

       

      なので、この条文を読んだ人からすれば

      先端が丸まっている、鼻毛カッターとかはOKなの?あれも刃物と言えそうだけど…

      という疑問が拭えませんよね。

       

      どれが刃物に該当するかを忘れてしまった方は、先ほど説明した【携帯が禁止されている刃物の種類とは?】を復習してくださいね!

       

      刃物と軽犯罪法の関係
      • たとえ銃刀法に違反していなくても、凶器となり得るものを正当な理由なく持ち歩けば軽犯罪法違反になる

       

      堂々と持っていれば軽犯罪法違反にならないのか?

      軽犯罪法第一条2号には”隠して携帯していた者”と書いてあります。

       

      厳密に言うと、こちらの不良少年↓はバットを”隠して携帯”していないので軽犯罪法第一条2号には違反してはいないと言えます。

       

      その代わりに複数道府県の迷惑防止条例違反などに違反していると解釈できます。

      「隠して」という文言があるため、ベルトに装着したり、キーホルダーなどにぶら下げるなどして(他者から見える形で)公然と携帯していれば軽犯罪法違反に該当しないこととなる。しかし、その一方で多くの道府県の迷惑防止条例では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、刃物鉄棒木刀その他人の身体に危害を加えるのに使用されるような物を、公衆に対し不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。」と規定されているため、一概に合法とまでは言い切れない。

      ※赤太字は筆者による

      出典:Wikipedia(軽犯罪法)2021年12月11日アクセス

       

      神奈川県迷惑行為防止条例↓

      3 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、鉄パイプ、木刀、金属バット、刃物(銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)第22条本文の規定により携帯を禁止される刃物を除く。)その他これらに類する物で、人の身体に重大な危害を加えるのに使用されるおそれがあるものを、通行人、入場者、乗客その他の公衆に対し、不安を覚えさせるような方法で、携帯してはならない

      ※赤太字は筆者による

      出典:条例Webアーカイブデータベース(神奈川県迷惑行為防止条例)

       

      ちなみに2021年12月現在、東京都の迷惑防止条例には上記(神奈川県迷惑行為防止条例)のような記載はありません。(理由は不明)

      東京都迷惑防止条例全文

       

      まぁ、たとえ条例の条文に明記されてなくとも、強盗予備罪容疑や殺人予備罪容疑とかで『任意同行→取り調べ』はされるでしょう。

      「隠して」いれば、いいのです。刃物でもなんでも、隠さずに堂々と持っていれば、軽犯罪法に反することはありません(銃刀法とか、何かの予備罪とか、別の法律で捕まると思いますが。)。

      ※太赤字は筆者による

      出典:日本のマイナーな法律③「軽犯罪法」

       

      堂々と凶器になり得るものを携帯することについて
      • 「隠して携帯」しなければ軽犯罪法第一条2号には違反しない
      • 結局、「正当な理由」がない限りは、隠そうが堂々と持ち歩いていようが逮捕される

      軽犯罪法1条2号に関する裁判例

      刃物ではありませんが、ヌンチャクを自動車内に隠して携帯していたとして軽犯罪法違反で起訴された事件があります。(結果は無罪判決)

      086703_hanrei

       

      熊よけスプレーの携帯は違法?

      キャンパーの不安といえば、クマとの遭遇ですよね。

      私が山で野営する時に持って行くクマよけスプレーはこちら

       

      クマよけスプレーの携帯に関してはどうなのでしょうか?

       

      以下、クマよけスプレーに関して警察に問い合わせた方のブログからの抜粋です。

      クマよけの唐辛子スプレーのことも聞いてみましたが、クマの生息地で一つをぶら下げているだけならだいじょうぶだけど、都内でいくつも積んでいれば疑われると。
      また、通常時は女性はいいけれど、男性はダメという基準もあるそうです。

      出典:キャンピングカーと銃刀法(2020年7月24日アクセス)

      ※赤太字は筆者による

      男はクマ撃退スプレー携帯ダメなんかいっ!!(女性だから必ずしもセーフ、とはならないとは思いますが)

       

      まぁ、良からぬことを企んでいる隠れ性犯罪者は一定数居ると思うので、仕方がないですかね。
      都心では持ち歩き厳禁って解釈が妥当かと(´・ω・
      )

       

      催涙スプレー携帯に関しての判例(無罪判決)

      クマよけスプレーに似たものとして「護身用の催涙スプレー」があります。

      クマよけスプレーの携帯が「正当な理由」にあたるのかの参考として、「護身用の催涙スプレー」にまつわる最高裁判所の判例を見ていきましょう。

       

      以下のリンクは最高裁判所で無罪判決の判例です。(第1審判決は有罪)

      裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan(平成21年3月26日)

       

      この裁判では、被告人が携帯していた催涙スプレーは軽犯罪法の条文に書かれている”「人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当することは明らか”としています。

      (前略)暴漢等から襲われて身に危険が迫ったときなどに相手方に向けて噴射し,身を守るために使用されることを想定した器具であることを考慮してもなお,本号にいう「人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当することは明らかである。

      ※太赤字は筆者による

      出典:037481_hanrei

       

      つまり、被告人が携帯していた催涙スプレーは「正当な理由」なく携帯したらダメなもの、ということになります。

       

      この段階で被告人が無罪になるためには「正当な理由」が必要となりました。

       

      以下は、催涙スプレーを携帯する「正当な理由」があったのか?という判断です。

      職務上の必要から,専門メーカーによって護身用に製造された比較的小型の催涙スプレー1本を入手した被告人が,健康上の理由で行う深夜路上でのサイクリングに際し,専ら防御用としてズボンのポケット内に入れて隠匿携帯したなどの事実関係の下では,同隠匿携帯は,社会通念上,相当な行為であり,上記「正当な理由」によるものであったというべきであるから,本号の罪は成立しないと解するのが相当である。

      ※太赤字は筆者による

      出典:037481_hanrei

       

      西新宿における深夜サイクリング時の催涙スプレーの携帯が「正当な理由」と判断されました。

       

      被告人は最高裁にて逆転無罪を勝ち取ったのです!

       

      無罪の判例があるから催涙スプレーで武装はOK?

      無罪の判例があるからといって

      いやっほーーい!催涙スプレーで武装じゃぁー!!携帯は無罪なんじゃー!!!

      という安易な解釈は禁物。

       

      この裁判で無罪を勝ち取れたのはあくまで

      • 男性が多額の現金や有価証券を持ち出す職務に従事している
      • 催涙スプレーが比較的小型である

      という点に最高裁が注目したからです。

       

      本件のように,職務上の必要から,専門メーカーによって護身用に製造された比較的小型の催涙スプレー1本を入手した被告人が,健康上の理由で行う深夜路上でのサイクリングに際し,専ら防御用としてズボンのポケット内に入れて隠匿携帯したなどの事実関係の下では,同隠匿携帯は,社会通念上,相当な行為であり,上記「正当な理由」によるものであったというべき(後略)

      ※太赤字は筆者による

      出典:037481_hanrei

       

      また同判決文は、以下の文で締めくくられています。

      なお,防犯用品として製造された催涙スプレーであっても,現に,そのようなスプレーを使用した犯罪等も決してまれではないことからすれば,本号により取り締まることの必要性,合理性は明らかであって,犯罪その他不法な行為をする目的で催涙スプレーを隠匿携帯することが,上記「正当な理由」の要件を満たさないことはもとより,これといった必要性もないのに,人の多数集まる場所などで催涙スプレーを隠匿携帯する行為は,一般的には「正当な理由」がないと判断されることが多いと考える。

      ※太赤字は筆者による

      出典:037481_hanrei

       

      「正当な理由」がないと判断されることが多い”。
      つまり条件が少しでも違えば、犯罪要件を満たす可能性大ということです
      (´・ω・)タイーホデスネ

       

      で、結局クマよけスプレーの携帯は違法なの?

      【催涙スプレー携帯に関しての判例(無罪判決)】や他のキャンパーさんのブログ閲覧を踏まえた私の意見を述べさせていただくと

      • 山林地帯での携帯はセーフと考えて良い
      • 繁華街などでのクマよけスプレーの携帯は、女性とはいえ軽犯罪法違反の可能性が高い

      と私は考えます。

       

      防犯スプレーの判例では無罪判決となりましたが、そもそも『対人を想定した防犯スプレー』と『対獣を想定したクマよけスプレー』とでは威力に違いがあると思われます(商品によるので一概には言えませんが)。ゆえに、繁華街での携帯は護身用具を超えた武器として判断される可能性が高いのではないか、と私は思いますね。(相手を完全失明させるかもしれません)

       
      クマよけスプレーに関するポイントを整理
      • 催涙スプレー携帯の無罪判例はあるが、通常は「正当な理由」と認められないことが多い(判決書が根拠)
      • とあるブロガーが警察に問い合わせたところ「通常時のクマよけスプレー携帯は、女性ならOK、男性はNGという基準がある」との返答あり
      • 催涙スプレーより危険性が高いクマよけスプレーの携帯は、人が集まるところでは「正当な理由」と認められない可能性が極めて高いと思われる(これは判決書を読んでからの私の推測

      クマよけスプレーの携帯は、クマなどの獣が出没するエリアに出かけるときのみにすべし!

       

      ペグの所持は軽犯罪法(凶器携帯の罪)になるのか?

      「ペグ 軽犯罪法」でググっても、それらしい情報は得られませんでした。

       

      しかし、タクティカルペンの所持は「人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」と看做され、逮捕される可能性があるとのこと(多数のブログを参考)なので、より鋭利なペグをキャンプの目的なく持ち歩くのは危険かと思います。(あくまで素人見解ですが)

      ペグは軽犯罪法1条2号に表記されている”鉄棒”または”人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具”に該当しそうな気がします。

       

      ペグの所持についての注意点
      • ペグを目的なく携帯すると軽犯罪法違反になる可能性が高い

       

      ライトを所持すると逮捕される可能性がある!?

      キャンプだけでなく夜道を安全に歩くのに便利な「懐中電灯」を携帯していたとして現行犯逮捕された事件があります。

      福岡県警察本部の広報課担当者によると、今回の件で男が逮捕されたのは2月28日4時2分、場所は大野城市内の路上だった。容疑の内容については

      「同日3時28分ごろ、正当な理由なく他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具である懐中電灯を隠して携帯していたものである」

      と話している。本人の認否などはあきらかになっていない。

      ※太赤字は筆者による

      出典:理由なく「懐中電灯」持ってると逮捕される 軽犯罪法違反になる意外な物品

      現場の詳細な描写がないので、正確な判断が難しい事例ですね。任意同行ではなく現行犯逮捕した理由は何だったのでしょうか?

       

      ちなみに”正当な理由なく他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具”とは軽犯罪法第一条3号にある文言です。

      第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

      (中略)

       正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
      ※赤字太字は筆者による

      出典:軽犯罪法 | e-Gov法令検索

       

      また、同記事内には「ペンライト」を携帯していたとして有罪になった判例があることが書かれています。

      「ペンライト」の携帯で有罪認定した裁判例も
      岩沙好幸弁護士によると、過去「ペンライト」の携帯を軽犯罪法違反として有罪認定した裁判例が1986年1月13日の東京地裁判決に存在する。

      ※太赤字は筆者による

      出典:理由なく「懐中電灯」持ってると逮捕される 軽犯罪法違反になる意外な物品

      残念ながら、1986年1月13日の東京地裁判決とやらの判決書が見つかりませんでした。
      「ペンライト」の件も詳細が不明なままです(´・ω・
      )

       

      ライト所持についての注意点
      • ライトを目的なく携帯すると軽犯罪法違反になる可能性が高い(複数の有罪判例あり)

       

      銃刀法や軽犯罪法に違反した場合の罰則は?

      銃刀法違反の罰則

      第三十一条の十八 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する

       第三条の九及び第三条の十二の規定により禁止されるけん銃実包の譲渡しと譲受けの周旋をした者
       第十条第一項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
       第二十二条の規定に違反した者
      ※太赤字は筆者による

      ”二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金”ですって!!
      イヤやわ〜ホンマに。

       

      第二十二条の規定”とは、記事前半でも引用したコレです↓

      第二十二条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

       

      軽犯罪法違反の罰則

      「軽犯罪法に違反したらこうなるよ〜」という文言です↓

      軽犯罪法

      第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する

      ※赤字太字は筆者による

      出典:軽犯罪法 | e-Gov法令検索

      科料とは 1,000 円 〜1万円未満の納付命令のことですね。罰金刑より軽いものですが、「前科」が付きます。

      (拘留と科料、懲役などについては別の記事で解説する予定。)

       

      車上生活者が刃物を車載している場合は銃刀法違反になる?

      私が気になったのは車上生活者の存在です。

      1年中車上生活しているのなら、当然、包丁などの刃物は積んでいるはず…。銃刀法違反にならないのだろうか?

       

      さまざまな車上生活者(車旅行者)のブログを見てみると、やはり包丁やハサミを積んでいるみたいですね。

       

      そして、彼ら車上生活(車旅)ブロガーの中にもいろいろな意見があります。

      生活上必要という正当な理由があるから、全然問題ないよ〜♪

      という感じの楽観的な意見から

      警官の判断一つで犯罪にもなり得るから注意!!

      という慎重な意見までさまざまです。

       

      中には警察署に聞いてみた方もいらっしゃいました。

      あれこれ考えても仕方ないので、近所の警察署に電話して聞いてみました。
      担当者曰く、一年旅であっても、その間の生活に必要な刃物や道具であれば、携帯する正当な理由になるとのことです。
      逆に、旅行中やキャンプ中じゃないのに、例えば近所に買い物に行く時に刃物を積みっぱなしにしていれば違反であると。

      ※太赤字は筆者による

      出典:キャンピングカーと銃刀法(2020年7月24日アクセス)

       

      車上生活者の刃物の携帯はOKみたいですね!(ちなみに元警察官YouTuberよっしー部長さんも同じことを仰ってました)
      元警察官徹底解説!銃刀法違反 <車両編> 絶対に〇〇に置いてはいけない!

       

      OKとはいえ、載せておく刃物は必要最低限にするのが良さそうですね。

      例えば、一年旅のために特大剣ナタとかマチェットを10本くらい積むとかしてたら、明らかに”生活に必要な”の範疇を余裕で超えるでしょうからねwww

       

      銃刀法違反容疑で任意同行された私の知人のケース(反省文提出)

      実は、私には銃刀法違反容疑で任意同行された知人がいます。

      つまり、この項目の内容はネット上の情報ではない生の情報ということです。

       

      とある日、私の知人Aはナタとノコギリを積んだままの車で都心を運転していました。

      知人A
      車から降ろし忘れてたんだよね

       

      そして、新宿区で職務質問を受けた際に、銃刀法違反容疑で任意同行されてしまったのだそう。

      知人A
      応援要請されて最終的に8人の警察官に囲まれる事態になっちゃった(´・ω・)

       

      都心の警察官と郊外の警察官では認識がかなり異なる

      彼がなぜナタとノコギリを車に積んでいたのかというと、彼の住んでいる場所は自然豊かな限界集落であり、ナタやノコギリを日常的に野外で使うことが常識となっていたからです。

      知人A
      山や農作物の手入れ、害獣駆除などに使うわけよ

       

      なので、それら銃刀法による規制を受けるはずの刃物を車に無造作に積んでいても、地元の警察官が咎めるようなことは基本的にないとのこと。

      知人A
      まぁ、土地柄だよね

       

      しかし、都心の警察官の認識は違います。

      警視庁警察官
      あなたねぇ…、ナタ1本で何人の人間が殺せるか分かってますか?

      という認識です。(実際に、私の知人Aは警官からこう言われたそう)

       

      後に知人Aはこのように語っています。

      知人A
      「うっかり車から降ろし忘れてただけ」で見逃してもらえるほど、世の中甘くなかったわwww

       

      容疑者の社会的立場によって処分が変わる可能性

      結果として知人Aは【逮捕はされず任意同行で事情聴取 → 反省文提出(署長宛)】だけで済んだそうです。

       

      なぜ、罰金刑以上の処分を下されなかったのか?

       

      A本人曰く

      • Aの親戚に警察関係者がいること
      • A自身が政治家と顔見知りの公務員であったこと

      がプラスに作用したのではないか、とのことです。(これはあくまで知人Aの推測ですが)

       

      知人A
      もし俺が一般サラリーマン家系だったら前科(銃刀法違反の場合は罰金刑以上)付いてたよね、たぶん。

       

      池袋暴走事故で『上級国民』というキーワードがバズっていましたが、やはり容疑者の社会的信用というのは処分の方向性を左右する大きなファクターであるのは間違いなさそうです。

       

      その人物が凶行に及ぶ可能性があるか否かの客観性が重要なのでしょうね。
      もし、暴行罪の前科がある人物の車から刃物が見つかったとしたら、警察も職務としてそれ相応の厳しい対応をしなくてはならないでしょうし。

       

      【理不尽】警視庁推奨の十徳ナイフ所持で被災地ボランティア男性が銃刀法違反で取り調べ

      先程の【銃刀法違反容疑で任意同行された私の知人のケース】でも触れましたが、地域によって警察官の認識にかなりの違いがあります。

       

      こちら記事↓の被災地ボランティア男性への取り調べの件は、その最たる例と言えるでしょう。

      警視庁の警官、ガレキ撤去ボランティアを職質し署へ連行 抗議の公開質問書にも反省ゼロ

       

      宮城県ボランティア男性の件では、現地で十徳ナイフを携帯する客観的な正当性があるにもかかわらず、警視庁から派遣されてきた警察官が銃刀法違反で取り調べを行いました。(しかも横柄な態度で、です)

      この事件の公開質問書はこちら

       

      まぁ、「災害地での十得ナイフ携帯に正当性があるか否か」という点においてはさまざまな解釈があると思いますが、今回の問題点はそこではありません。

      続きをどうぞ。

       

      記事の一部↓

      警視庁のホームページ には、災害に備え多機能ナイフ(万能工具)の準備を推奨している。つまり、自分で推奨している道具と似たものを持っている人を犯罪人扱いして連行したのだ。

       

      警視庁が防災グッズとして推奨している道具に近しいものを被災地で持っていたら署に連行とか…、ちょっと意味わかんないっすね(;^ω^)

      ソーシャルゲームで例えるなら、公式が用意した機能を使ってプレイしていただけなのにアカウント停止処分喰らうようなものかな。

       

      補足
      ちなみに、上記記事内にある警視庁の十得ナイフ推奨のページリンクは現在リンク切れとなっています(´・ω・)

       

      【小田急線刺傷事件犯人】事件前、カッターナイフ携帯が発覚

      小田急線刺傷事件加害者の男が、事件直前(同日)に食料品店にて刃渡り6.4cmのカッターナイフを隠匿携帯していたことが警察の手により明らかになっていましたが、署への連行はしませんでした。

      小田急線刺傷事件

       

      「護身のため」カッターナイフ所持、しかし逮捕されず

      「対馬容疑者は食料品店を物色し、880円相当のベーコンとオリーブを万引きしようとした。しかし女性店員に注意され、110番通報もされた。警察に厳重に注意されたが、商品を買い取ることでお咎めなしとなった。このときの警察による所持品検査で、ビール3本と缶チューハイ、そして刃渡り6.4cmのカッターナイフを所持していたことが判明しています。

      (中略)

      カッターナイフについて本人に用途を聞いたところ『護身用のため』と供述。その場で逮捕はされませんでしたが、警察官が対馬容疑者を18時21分に自宅へ送り届けています。また、銃刀法違反で任意の取り調べをする旨を伝えられています

      ※太赤字は筆者による

      出典:「勝ち組の典型にみえた」小田急線無差別刺傷 加害者が20代女子大生を執拗に刺したワケと犯行直前の“ある事件”(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

      刃渡り6.4cmのカッターナイフは銃刀法の規制対象です。「正当な理由」がないと携帯してはいけません。

       

      よほどの事情がないと護身のための所持は「正当な理由」とは看做されないはずですが、この件では大したお咎めもなく帰宅させています。なぜなのでしょうか?

       

      このことについてVTuberである懲役太郎さんはご自身が出演する動画の中で、犯人がカッターナイフを隠匿携帯していたことへの警察の対応について、以下のような発言をしていらっしゃいます。(以下の「」内は、読みやすいよう筆者が加筆・修正などをしたもの

       

      「あれで逮捕していたら留置所がいくらあっても足りないし…。また、当時はオリンピックの開催中。警察は警備などで忙しかった。銃刀法違反なら送検するための人員も必要となる。それに、携帯していたのは文房具だし、前科・前歴・余罪・自宅の様子などを確認した上で、警察官はあのような判断をしてしまったのかもしれない」

      参考:【小田急刺傷事件】もはやテロ⁉︎ 動機の考察と対策【懲役太郎/かなえ先生】

       

      いずれにしても、災害地ボランティアの男性が警視庁の推奨する防災グッズである十得ナイフ所持で任意同行を求められ厳しい取り調べをされたのに対し、こちらの犯人は万引きをした挙句「護身のため」という正当とは言えない理由なのに大したお咎めはありませんでした。

       

      警察には警察の都合があるのかもしれませんが、これらの事例を見る限り、警察の刃物を携帯する「正当な理由」の判断基準が曖昧すぎて困惑せざるを得ない、というのが個人的な感想(市民感情)ですかね…

       

      「護身のため」のカッターナイフ携帯が正当とは言えない理由の根拠

      「護身のため」のカッターナイフ所持が正当な理由といえない根拠は何だ?お前の妄想じゃないのか?

       

      「護身のため」にカッターナイフを所持することが正当とは言えない理由の根拠としては、こちらの判決書が有効だと思います。

      なお,防犯用品として製造された催涙スプレーであっても,現に,そのようなスプレーを使用した犯罪等も決してまれではないことからすれば,本号により取り締まることの必要性,合理性は明らかであって,犯罪その他不法な行為をする目的で催涙スプレーを隠匿携帯することが,上記「正当な理由」の要件を満たさないことはもとより,これといった必要性もないのに,人の多数集まる場所などで催涙スプレーを隠匿携帯する行為は,一般的には「正当な理由」がないと判断されることが多いと考える。

      ※太赤字は筆者による

      出典:037481_hanrei

      こちらの判決書は催涙スプレー所持の違法性を判断するためのものですが、同判決書内で「催涙スプレーは人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」と判断されています。

       

      「人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」とは、同時に刃物の携帯を規制する軽犯罪法第一条2号の文言です。
      つまり、刃物と同様の危険性があるということです。

       

      ゆえに上記の判決書は、刃物であるカッターナイフ携帯の違法性について論じる際の根拠として有効であると思われます。(これはあくまで私の解釈

       

      結論として、カッターナイフも”人の多数集まる場所などで隠匿携帯する行為は,一般的には「正当な理由」がないと判断されることが多い”と言えるのではないでしょうか?

       

      銃刀法違反として逮捕されないためには

      ナイフを携帯する場合、「100%捕まらない無欠の対策」というのは存在しませんが、逮捕の確率を下げる方法ならば存在します。

       

      その要点だけを書き出すとこんな感じ↓

      銃刀法違反回避の要点3つ
      • キャンプ道具や釣り道具、仕事道具と一緒に保管する(または、すぐに使えないように箱やリュックの奥などに入れて保管)
      • 自宅から目的地(キャンプ場など)以外に寄り道をしない(コンビニや喫煙所もNG)
      • 職務質問や所持品検査の際に、ナイフ携帯の理由をしっかり説明できるようにしておく

      ※ちなみに、携帯するナイフを基本的に6cm未満にすれば「銃刀法」には違反しませんが、正当な理由がない場合は「軽犯罪法違反」となりますので注意してください。

       

      もしあなたがキャンプをしに行く場合、自宅からキャンプ場以外の場所へ行ってはいけません。

      例えば

      喉乾いたからコンビニ行こう!

      とか

      腹下したから公園のトイレ借りよう

      とかも基本アウトです。

       

      所持品検査された時点での「その場・その瞬間に刃物が必要なのか?」という点が重要なのであって、キャンプをするために刃物は必要だけど、買い出しやトイレにナイフは必要ないよね?って理屈です。

       

      ちなみに、車両にナイフを置いた状態でコンビニ入店もアウトらしいです。(車上生活者(バンライフ)の場合は基本的にOK)

       

      また、腰ベルトにナイフをぶら下げるのもアウト!

      やろうと思えば、瞬時に人を襲えてしまえるからですね。

       

      容易に取り出しできないようにバッグの奥深くに、キャンプ&釣り道具と共にしまうと「携帯する正当な理由」と認められやすくなります。

      ナイフの収納を適切に行って、逮捕リスクを極限まで下げましょう。

         

        【超参考になる】元警察官による銃刀法違反の回避方法

        元警察官の方が銃刀法違反に関するYouTube動画を挙げてくださっています。

        取り締まる側からの貴重な情報です。絶対に目を通しておきましょう!

        元警察官徹底解説!銃刀法違反 <車両編> 絶対に〇〇に置いてはいけない!

        元警察官徹底解説!銃刀法違反 歩行者編 知らないでは済まされない・・・

         

        動画内で語られていますが、刃物を車内に保管する場合は、キャンプ道具などと一緒に保管しておけば「刃物を所持する正当な理由」の説得力が増すとのことです。

         

        逆に、やってはいけないのは取り出しが楽だからと言ってグローブボックスやドアポケットに入れておくことと、フロアマットの裏に隠すなどの行為です。悪質と見做されて逮捕の確率が高まるみたいです。

         

        また、カード型ナイフやカラビナ型ナイフは隠匿する意図があったと解釈される恐れがあり、これまた「正当な理由」を主張するのが困難になるケースがあるとのこと。

        カード型ナイフ

        カード型ナイフを見る

        カラビナ型ナイフ

        カラビナ型ナイフ

         

        刃物の使用目的(正当な理由)が証明できれば捕まらないのか?

        以下の記事は、ナイフワークショップを開催した人が警察から取り調べされた時の様子です。

        警察から職務質問を受けたときにナイフが見つかると、たとえ正当な理由と証拠があったとしても、署に連行されてしまうのだそうです。
        (中略)
        「これは人を殺せる道具だ!」と怒鳴られたあげく、謎の反省文を書かされてようやく解放されたそうです。

        出典:ナイフと銃刀法。正当な理由だけでは対策不足です! | 足るを探す

        当人からしたら、何も悪いことしていないのにこの仕打ちは納得がいかないでしょうね。
        反省文だけで済んだから良いかもしれませんが…(;^ω^)

         

        ポイントを整理
        • 「正当な理由」があっても叱られるときは叱られる(理不尽の極み)

         

        他にも参考になるサイト&動画

        以下のサイト&動画は、実際に銃刀法違反容疑で取り調べをされたケースが扱われています。

        【全キャンプ好きに告ぐ】そのナイフ大丈夫?銃刀法の落とし穴

         

        「銃刀法違反容疑で取り調べをされたら必ずしも罰金刑以上が課される」というわけではないようですね。
        まぁ、これは【私の知人Aの事例】で明らかになっていますが。

         

        おまけ:警察の証拠捏造事件について

        キャンプに必要な刃物などをこちらが携帯していた場合、「果たしてそれらが適法か?」を判断するきっかけとなるのは警察からの職務質問や手荷物検査だと思われます。

         

        そんな重要任務を担う警察には、できれば清廉潔白でいてほしいですが…

         

        「火の無い所に煙は立たぬ」という諺がありますが、実際には「火の無い所に煙を立てる」ような所業を行う、つまり証拠捏造を警察が行った事件があります。

         

        警察の証拠捏造として有名なのが『高知白バイ衝突死事故』ですね。
        高知白バイ衝突死事故

         

        この事件についての書籍もあります。

         

        また、警官が薬物所持の証拠を捏造した事件もあります。

        職質警官が「パケ」仕込む? 薬物事件で一部無罪判決

        この捏造事件はドライブレコーダーの記録によって明らかになりました。もし、ドラレコの映像がなかったら…と思うと恐ろしいですね。

         

        まとめ

        特に重要な部分だけ超ざっくり振り返ります。

         

        ポイントを整理
        • 法律は知らないでは許されない

        • リスクを知るために『銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)・軽犯罪法・迷惑防止条例』には目を通そう

        • 刀剣は「武器目的で作られたもの」であり、刃物は「道具目的で作られたもの」

        • 刀剣の所持には許可証が必要

        • 刃物でも基本的に刃体の長さが6cm以上(折りたたみナイフやハサミは8cm)のものは銃刀法に抵触する

        • 銃刀法に抵触しない『小型の刃物』や『クマスプレー・ライト・ペグ』などのキャンプ道具を目的なく持ち歩いていると逮捕されることがある
        • 安全装置のついた器具でも「切断」「切削」が可能なら刃物になる

        • 刃物の携帯には「正当な理由」が必要

        • 「正当な理由」は『人・物・時・場所・職業その他の条件』を総合的に見て判断される

        • 「正当な理由」があったとしても厳しい取り調べや逮捕される理不尽なケースも世の中には存在する。
        • キャンプ場に向かう最中、刃物などを携帯(もしくは車載)した状態でコンビニなどに寄った場合、逮捕されることがある。(買い出しのための寄り道はNG、キャンプは直行直帰が原則)

        • 刃物はバッグの奥深くに、できればキャンプ&釣り道具と共にしまうと逮捕されにくくなる
        • キャンプ道具を家から持ち出す限り、逮捕されるリスクはゼロにならない

        • よほど悪質と判断されない限りは不起訴で済む可能性が高い

        また、「モーラナイフ Eldris」なら銃刀法に違反しませんので、万が一逮捕されるにしても軽犯罪法違反で済みます。(最悪、拘留か科料で終わる)

        逮捕怖いけど刃物を使ったキャンプがしたい!という方には比較的低リスクで使えるおすすめナイフです。

        調理やクラフト、ちょっとしたバトニングもできる優れものです。見た目も可愛らしく、周囲に脅威を与えないのもグッド!!

         

        最後までお付き合いいただきありがとうございました!

        それでは良きキャンプライフを〜( ˆoˆ )/



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        参考サイト一覧

         

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