【相対的貧困率とは何か?】等価可処分所得・中央値などの解説

こんにちは、おつまみ(@otsumami082)です。

 

先日、相対的貧困率について調べていたら

OECDに提供している「相対的貧困率」の作成基準について

1)「相対的貧困率」とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員の割合をいう。

出典:相対的貧困率 - 厚生労働省

※太赤字は筆者

という表記を見つけました。

 

これを読んで私は

なぜ世帯人数ではなくて平方根(√)で割る必要があるのだろうか?等価可処分所得ってなんだろう?

という疑問と共に

そもそもiPhone標準アプリ『計算機』で平方根(√)の割り算ってできるのだろうか?

という疑問が浮かんできました。

 

 

そこで今回は

  • 『相対的貧困率』『等価可処分所得』とは何か?
  • 相対的貧困率を算出するのに平方根(√)で割る理由

について考えていきたいと思います。

 

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『相対的貧困率』『等価可処分所得』とは何か?

記事冒頭で引用した資料をもう一度見てみましょう。

 

等価可処分所得のことが書いてあります。

OECDに提供している「相対的貧困率」の作成基準について

1)「相対的貧困率」とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員の割合をいう。

出典:相対的貧困率 - 厚生労働省

※赤太字は筆者

 

つまり

”等価可処分所得 = 世帯の可処分所得 ÷ √世帯人員数

ということですね。

 

”世帯”って何?”可処分所得”って何?
僕ちゃんにも分かるように説明してちょw

 

世帯とは住居と生計をともにする人々からなる集団、もしくは生活単位”コトバンクより)のことですね。

 

私のような独りぼっちも1世帯だし、サザエさん一家のような大家族も1世帯です。

 

とはいえ、文章だけでは相対的貧困率の計算方法は分かりにくいので、【政府統計の所得集計データからの 相対的貧困率の推定】から図を引用させていただきますm(_ _)m

出典:政府統計の所得集計データからの 相対的貧困率の推定

 

この図から

【(世帯の)可処分所得 = 所得 ー (税+社会保険料)】

という式が見えてきます。

 

そして、この可処分所得を√世帯人員数で割ったものが等価可処分所得となるのです!

 

式にするとこうなる↓

【等価可処分所得 = (世帯の)可処分所得 ÷ √世帯人員数】

 

相対的貧困率の考え方

ここでは、国民の等価可処分所得の中央値が300万円だとします。

出典:政府統計の所得集計データからの 相対的貧困率の推定

 

中央値とは、データを大きい順(もしくは小さい順)に並べた時の真ん中の値です。(例:【1・2・7・8・9】という数字の並びの中央値は7)

 

中央値の半分である貧困線は150万円となります。

出典:政府統計の所得集計データからの 相対的貧困率の推定

 

貧困線を下回る世帯、つまり等価可処分所得150万円以下の世帯が貧困層です。

出典:政府統計の所得集計データからの 相対的貧困率の推定

 

ちなみに、2018年の貧困線(中央値の半分)は127万円です(参考:【II 各種世帯の所得等の状況】

 

所得・税・社会保険料って具体的どんなものがあるの?

さきほど説明した

【可処分所得 = 所得 ー (税+社会保険料)】

と聞いて

所得って何があるの?税って何があるの?社会保険料金ってなあに?
私、わかんな〜い(ぴえん)

と思った方もいるのではないでしょうか?

 

ここでいう所得の種類や税・社会保険料にはどのようなものがあるのか知りたい人は【用 語 の 説 明 - 厚生労働省】”等価可処分所得”の項目を見ると良いでしょう。

 

また、こちらの資料には等価可処分所得の計算式

【等価可処分所得 = (総所得 - 拠出金 - 掛金 - その他) ÷ √世帯人員数】

も書いてあります。

 

 ’総所得・拠出金・掛金・その他”ってなんやねん!

という人は、すぐ上の画像をじっくり見てくださいね。

 

結局、等価可処分所得って何のこと?

いろいろな資料が出てきてごちゃごちゃしてきたのでまとめます。

 

これまで出てきた3つの資料内で記述されていた”等価可処分所得”の計算式を並べるとこうなります↓

  1. ”等価可処分所得 = 世帯の可処分所得 ÷ √世帯人員数
  2. ”等価可処分所得 = 可処分所得 ÷ √世帯人員数
  3. ”等価可処分所得 = (総所得 - 拠出金 - 掛金 - その他) ÷ √世帯人員数

 

つまり赤字で表記した

  • 世帯の可処分所得
  • 可処分所得
  • (総所得 - 拠出金 - 掛金 - その他)

全て同じこと(世帯の可処分所得を表していることが分かりますね。

 

これを読んで

上の図にある『雇用者所得』って何?なんで『仕送り』が総所得とその他、両方の項目にあるの?
私、わかんな〜い(うるうる)

という疑問を持った方がいると思います。

 

申し訳ありませんが、これ以上の細かいことはご自身でお調べになってください。(趣旨からどんどん外れてしまうので)

 

少しでも深掘れば分かりますが、めちゃくちゃ複雑です…(;^ω^)

 

たとえば、事業所得と一口に言っても1種類だけではないみたいです。(青色申告者の場合)

・総所得金額等…純損失を繰越控除した後の事業所得
・合計所得金額…純損失を繰越控除する前の事業所得

出典:総所得金額等と合計所得金額…どう違う?確定申告で使う場面も解説 | KaikeiZine | 税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

 

なぜ”総所得金額等”と”合計所得金額”を分ける必要があるのか?が知りたい方はこちら

 

興味が尽きない方は、上で紹介したリンクを足掛かりにしてご自身でお調べになってくださいませm(_ _)m

 

【相対的貧困率】世帯人数ではなく平方根で割る理由

OECDに提供している「相対的貧困率」の作成基準について

1)「相対的貧困率」とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員の割合をいう。

出典:相対的貧困率 - 厚生労働省

※太赤字は筆者

 

そういえば、なんで世帯人員の平方根で割るの?
素直に世帯人員で割っちゃダメなのかしら?

 

答え:可処分所得を世帯人員で割るのは不自然だから

もし、可処分所得を世帯人員で割ってしまうと経済的な貧困の実態とはかけ離れてしまいます。

 

どういう事?

 

分かりやすくするため、可処分所得127万円(貧困線)の若者1人と、可処分所得127万円の4人が同居した家族4人のケースを見ていきましょう。

 

1人暮らしの若者の場合

可処分所得127万円の若者が1人で暮らしている場合、1世帯の年間の可処分所得は127万円となります。

 

当然、生活費や娯楽費用の全てを年間127万円で賄わなくてはなりませんよね。

1ヶ月の出費上限は約10万円…

 

もし、家賃5万円のアパートを契約していたとしたら、家賃だけで可処分所得の半分が消し飛んでしまいます。

残り5万円で1ヶ月のケータイ代・光熱費・食費etcの支払い…。
これでは生活がカツカツですよ…

 

4人暮らし家族の場合

可処分所得127万円の4人が同居している場合、1世帯の年間の可処分所得は508万円となります。

1ヶ月の出費上限は約40万円!

 

4部屋で家賃12万円くらいの一軒家を借りて生活しているとすると、1人あたりの家賃負担はたったの3万円になります。

家賃以外にも、シェアできるものがたくさんあるもんね〜♪

 

家賃以外にもシェアできる出費の例
  • 電気・ガス・ネット回線など月額の生活インフラ代金
  • 冷蔵庫・レンジ・エアコン・洗濯機・掃除機など家電代金
  • 車・自転車などの乗り物代金
  • 自炊代金
  • 保険(家族まで対象のものなど)
  • ストリーミングサービス(NetflixやAmazonPrime)
  • 書籍代金

 

1人の時に比べると生活費の負担が軽い!

 

以上のことを見てみると、全員が同じ可処分所得127万円(貧困線)だとしても、1人暮らし世帯と多人数世帯とは貧困の実情がかなり異なるのが分かりますよね。

 

このような実態に合わせるために考えられたのが世帯人員の平方根(√)で割るという方法なのです。

 

家族4人の可処分所得世帯人員の平方根(√)で割ってみる

実際に、家族4人の可処分所得(127万円×4人)を世帯人員の平方根(√)』で割って、1世帯の等価可処分所得を算出してみましょう。

 

1270,000円 × 4人 ÷ √4 = 2,540,000円

 

この家族の等価可処分所得は254万円ということになりました。

 

えっ!?俺の等価可処分所得の2倍やないか…

 

いかがでしょうか?

世帯人員で割った数字よりは世帯人員の平方根(√)で割った数字のほうが、世相を反映していると思いませんか?

 

おまけ:【家賃12万円未満】4人暮らし向け一軒家賃貸物件について

【相対的貧困率】世帯人数ではなく平方根で割る理由〉の項目で

「4部屋で家賃12万円くらいの一軒家を借りて生活すれば、家賃負担はたったの3万円になります。」

と書きました。

 

この文を読んで

そんなのどうせ倒壊寸前のボロ屋だろ?僻地だろ?

と思った人も居るのではないでしょうか?

 

なので、試しにHOME'Sで一軒家の賃貸物件を探してみましたよ。

 

検索条件は

  • 家賃上限12万円(共益費&管理費込)
  • 東京23区
  • 間取り【4K・4DK・4LDK】
  • 駅徒歩10分以内

です。

 

すると15件ヒットしました!

出典:HOME'S

 

15件の中にあった物件↓

出典:HOME'S

 

北池袋駅徒歩8分(池袋駅15分)で共益費&管理費込み115,000円の物件が見つかりました。
すごい好立地!しかも97mの広さ!

 

出典:HOME'S

 

中も綺麗そうだし、文化的で必要十分な生活は可能だと思われます。

 

さいごに

今回の内容をまとめます。

 

「相対的貧困率」とは、等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合のことでした。

出典:政府統計の所得集計データからの 相対的貧困率の推定

 

で、等価可処分所得とは「世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得」のことでした。

計算式にするとこうなる↓

【等価可処分所得 = 世帯の可処分所得 ÷ √世帯人員数】

 

で、(世帯の)可処分所得とは『所得から(税+社会保険料)を差し引いたもの』でした。

計算式にするとこうなる↓

【可処分所得 = 所得 ー (税+社会保険料)】

 

じゃあなんで、等価可処分所得を算出するのに、世帯人員』じゃなくて『世帯人員の平方根(√)』で割るの?

という問いの答えは

「そちらの方が世相を反映しているから」

というものでした。

 

今回はここまでとなります。

この記事が相対的貧困率を理解する一助になったのなら幸いです。

 

それではまた~( ˆoˆ )/

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